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電気の地産地消【浜松新電力】電気代の安さだけじゃない

浜松市が電力の地産地消を目指すっていうニュースが出ていたけど、電気にも地産地消があるの?地産地消というと、なんだか農作物のイメージがあるんだけど。

そうだね、地産地消といえば、農作物などを作った場所で消費するっていう意味があって、輸送コストや、輸送にかかる排気ガスの排出削減をするという意味で、エコな取り組みとして知られているよね。

そうそう、でも、電気には輸送コストはかからないわよね?遠くで発電した電気を使ったって良いはずだけど…

そうだね。じゃあ、まずは「電力の地産地消」がどんな取り組みなのか、見ていこうか。

電力の地産地消ってどういうこと?浜松市だからこそできる太陽光発電

今回、浜松市が設立した浜松新電力は、2016年4月からの電力小売自由化に合わせた取り組みだよ。市内の高圧需要家向けに電力小売りを開始する予定で、市内の小中学校とか公共施設なんかに、電力を供給する予定なんだ。

でも、浜松市って政令指定都市ではあるけど、それでも1つの市だけで、充分な電力は確保できるの?なんかちょっと不安だわ。

セっちゃん、いいところに目をつけたね。浜松新電力は、すでに約11MW分の電源確保は確実だと見ている。市内の清掃工場で行うバイオマス発電や、出資企業が保有するメガソーラーから、電気を調達する予定なんだ。

浜松市が施設をイチから作るんじゃなくて、もうすでにある発電施設から電力を調達するってこと?

そう。だから、今から色々施設を作らなくても済むんだよ。初期費用削減だよね。実はね、浜松市は全国トップクラスの日照時間の長さだって言われてるんだ。太陽光発電の導入も進んでいて、2015年の3月の導入量は全国の市町村で1位を記録したんだよ。

へ〜1位!それはすごい。じゃあ、今回の新電力への取り組みは、浜松市だからこそできたって言っても過言じゃないのかしらね。他の地域だと、太陽光エネルギーの発電所を作るところからスタートしなくちゃいけないし、もともと地域に基盤があるっていうのは強みよね。

そうだね。全国で初めての試みだから、浜松市も力を入れているんだと思うよ。しかも、民間企業とタッグを組んでの取り組みだからね。じゃあちょっと、今回、地産地消の新電力に参画する地元企業についても見ていこうか。

地産地消を打ち出す民間企業たち。FIT電気と再エネの両軸がコスト削減のカギに!?

浜松新電力には、出資企業として、NECキャピタルソリューションやNTTファシリティーズがそれぞれ25%の出資を決めているよ。他にも、中部ガス、遠州鉄道、須山建設、中村建設が8.33%ほど。静岡銀行と浜松信用金庫が4.17%の出資を行っている。

地元企業が名を連ねてるって感じね。送電の管理とかは、市が行うことになるの?

需給調整業務は、NTTファシリティーズが担当することになっていて、電力については、遠州鉄道、須山建設、中村建設が保有しているメガソーラー(大規模太陽光発電所)から調達することになっている。加えて、浜松市の清掃工場で行う「バイオマス発電」が供給する電力の軸になっているよ。

NTTが電気の送電をコントロールするってこと?大手企業だし、浜松市の電力とはいえ、安心して使えそうよね。他にも遠州鉄道とか、地元の建設会社が出資しているなら、新規参入の電力会社とは言え安心感があるわ。

そうだよね。バイオマス発電は廃棄物を処理した際に生まれるエネルギーを利用しているんだけど、固定価格買取制度(FIT)を利用していないから、公表する電源構成には「再生可能エネルギー」として記載される。メガソーラーの場合は、FITを活用するので、「FIT電気」と表示されている。なるほど、こうやってコストの調整を行うって算段なんだな〜。

ちょ、ちょ、ちょっと待って、わたし全然ついていけてない!その固定価格買取制度とか、FIT電気とか、なんのことだったっけ…。コストの調整ってどういうこと?

あ、急に言われるとなんのことだっけってなるよね。じゃあ、次でちょっと詳しく解説していこう。

メガソーラーとバイオマス発電でコストを調整?FIT電気の仕組みが絡む裏事情

さて、わかりやすく解説していくね。まず、用語だけど、固定価格買取制度は、太陽光などの再生可能エネルギーを電力会社が買い取る制度のことだよ。今は自宅で太陽光発電をして売電している人も多いけど、それができるのも固定価格買取制度があるからできることなんだ。

あ〜売電のシステムのことね。で、FIT電気はなんのこと?

FIT電気は、この固定価格買取制度(FIT)を利用している電気のことを指すよ。電力会社は、この固定価格買取制度を利用して電気を買い取ると、交付金を国から貰うこともできたりする。

浜松新電力は、売電で買い取った電力を売ることになっているのね。でも、ちょっとわかんないんだけど、バイオマス発電とメガソーラーと、発電方法を2つ用意しているのはなぜなの?日照時間が長いなら、メガソーラーだけで勝負すればいいと思うんだけど?

セっちゃん。またまた、いいところに目をつけたね〜。実はね、FIT電気は今後、回避可能原価って言って、市場によって原価が変動するっていう原価方式を採用することになっているんだ。だから、もし原価が上がってしまったら、全体のコストもアップしてしまう。すべてをFIT電気で賄っていたら、将来的にコストが莫大になってしまうかもしれない。その危険を回避するためにも、バイオマス発電にも取り組んでいるんだよ。

あ、そうか。固定価格買取制度で買い取られた電気のことだものね。買取価格が上がっちゃったら、当然、電気代が跳ね上がっちゃうってことなんだ。

そう。ただ、原価が市場連動に移行するのは5年後なので、それまでには再生可能エネルギーの割合を増やす計画があるみたいだよ。将来的には、蓄電池によって需給バランスを調整する計画もあるみたい。

なるほど〜。安定して安く電気を供給するために、色々考えられているのね。

電力の地産地消、どんなメリットがあるの?電気料金や環境配慮だけじゃない魅力

でも、やっぱり電気を地産地消するメリットって価格だけなのかしら?

そうだね、安定的に安価な電力供給を目標にはしているんだけど、電力自由化になったら、「安い電力会社」だけに注目が集まるんじゃなくて、「よりクリーンな電力会社を選びたい」っていう需要だって増えてくるんじゃないかって、僕は思うよ。

なるほどね〜。原発の事故もあったし、電気を使う消費者も、原子力発電以外で発電した電気を買いたいって言う人がいてもおかしくないかも。浜松市内には原発はないし、地産地消エネルギーとして電気を売るなら、消費者としてはわかりやすくて安心ね。

そういうことなんだよね。他にもメリットはたくさんあって、今地元では「浜松市スマートシティ(環境配慮型都市)を実現させよう」と、期待値がとっても上がっているんだよ。

環境は確かに大事よね。もちろん、電気代は安くなるんでしょ?

価格については、数%の電気代削減には繋がるとしているから、今よりも高い電気代になることはないと言ってもいい。浜松市の電気代が安くなれば、それだけ企業誘致もしやすくなって、地元にとっては雇用の創出にも繋がるんだ。企業がたくさん地元に増えてくれれば、浜松市としては税収のアップも期待できる。

電気を必要としない企業なんてないから、これは結構いい地域の魅力になるかもね!

そうだね、企業だったらコスト削減のために電気代って大きな課題だからね。

地元に貢献する取り組み、大手電力よりも地産地消電力にこれからは注目が集まる

浜松新電力みたいに、地方自治体と民間企業が手を組んで新電力を設立するっていう動きが当たり前になったら、地産地消で安心だし、地域経済活性化や地球環境にも貢献できて、いいコトだらけって感じがするわ。

本当にそうだね。浜松新電力は、交付金を活用しているし、再生可能エネルギーを利用している。正直、既存の電力会社に比べて設備コストも人件費もほとんどかからない。だから、ギリギリまで電気料金を安く設定できるとも言われているよ。

出資企業も地元からしたら名の知れた企業だし、正直、テレビCMとかいっぱい流している大手の電力会社よりも、地元の人達は浜松新電力に注目するんじゃないかしら?

ほんと、その通りだと思うよ。

将来的に企業誘致につながって、クリーンな地球環境の創生にも貢献できる。そして、子どもたちの雇用の場の創出に繋がるなんて、素敵なことよね。

そうだね。これからは、同じような新電力ができたら、地元を応援する意味でも、地産地消の電力会社を支持する人は増えると思う。電気のことだけじゃなくて、街全体を考えるキッカケにもなるなんて、とっても素敵な取り組みだよね。

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