電力自由化をわかりやすく【エネスケが行く】突撃!隣の電気料金

「電力自由化」総合メディア|電力会社や電気料金プランの比較・選び方、節電方法、エネルギー問題など幅広くご提供

jiyuka-shippai_150

実は1995年に始まっていた!日本の電力小売自由化「失敗」の歴史

エネスケくん、「電力小売の自由化」っていうのは、電力会社がたくさんできて、私たち一般家庭はどの電力会社から電気を買うかを選択できるようになるっていうことよね?

ヒトコトで言えばそうなるね。

今までは東京電力とか関西電力とかの独占だったの?

一般電気事業者・・・つまり北海道電力・東北電力・東京電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力の「9電力会社」(+沖縄電力の合計10社)が、一般家庭の電力の小売については地域独占しているね。でも、1995年から電力の自由化じたいは実は始まっているんだ。

電力の自由化は20年以上前から?IPPとPPSの立ち上がり

そうだったんだ?でも東京電力以外の電力会社って、関東では聞いたことがないけど・・・

聞きなれないと思うけど、「IPP」っていう発電会社がいくつかあるよ。発電所を造るとなると大がかりになっちゃうけど、製鉄会社とか石油化学系の会社などは自家発電のノウハウや装置をすでに持っていたりするでしょ。新日本製鐵や住友金属工業、出光興産、三菱電機なんかがそれにあたるね。

なるほど!会社名を聞くとすごくイメージしやすいわ。じゃあこれらの会社から電気を買っている家庭もあるのね。電気料金、やすいのかしら・・・?

いやいや、これらのIPPは一般家庭に電気を販売する事はできないんだよ。まず、1995年時点では発電はできても「電気を販売すること」はまだ自由化されていない。

その時点では「発電」だけなのね。それこそ東京電力とか関西電力とかに電気を売ってたのかしら?

そうなるね。だからIPPは「電力会社への販売」はできたけど、「一般消費者への販売」つまり「小売」はできなかった。小売が解禁されたのは2000年の「小売の自由化」から。

ん?そしたら結局2015年の今は電気を私たち一般家庭も買えるってことじゃない?電力の「一般消費者への販売」が2000年から許可されているんでしょう?

2000年以降、自由化された電力の小売だけど、それは「高圧」だけ・・・つまり大規模なオフィスビルや工場などの高圧の建物への電力販売が解禁されただけだった。つまり大手電力会社が一般家庭は独占したままなんだ。一般電気事業者以外の電力会社はPPSと呼ばれ、ガス会社や大手の商社なんかが参入したね。

jiyuka-shippai

ふーん、ということは結局、現時点で私たちみたいな一般家庭(低圧)に対しては、10社の一般電気事業者しか電気の小売はやっていないということよね?

そうだね。少しずつ小売できる対象は広がっているんだけど、一般家庭向けの本格的な小売の全面自由化はまだ開放されていないんだ。

電力自由化がうまくいかなかった3つの理由

でも実はこれらのIPPやPPSはうまく電気事業に参入できたとは言い切れないんだ。結局一般電気事業者の方が中心になっている。

そうなのね。東京電力みたいなカタそうな会社よりは、商社なんかの方が商売上手な感じがするけど・・・

理由1:電力事業はスケールが重要!

電力事業は発電設備が何よりモノを言う世界というのがあるね。大規模な発電設備を備えて、顧客をたくさん持つことで、コストを下げていくことが大事なんだ。

後から参入してもそうたくさん発電所を造るのもたいへんでしょうし、お客さんを捕まえるのにも時間はかかりそうね。

実際、既存の電力会社は値下げ競争を仕掛けて新電力会社の参入を防いできてるね。まあこれは既存電力会社とすれば当たり前のことだけどね。

理由2:一般家庭への販売は自由化されなかった

オフィスビルや工場も確かに電気はたくさん使うけど、やっぱり一般家庭の電力需要が大きいよね。ここへの電気販売は結局自由化されていないままきてるんだ。

新電力会社はただでさえたくさんお客さんを集めないと採算が合わないのに、それではしんどいのもわかるわね。

理由3:送電線を借りるしかない!

そもそもIPPやPPSは、電気を送る時にはどうするの?まさかイチから送電線を作ったりはしないわよね?

いいところに気づいたね。その通りで、既存の電力会社が持ってる送電線ー送配電網を借りるしかないよね。膨大なコストもかかるし、だいいち電柱が何本あっても足りなくなるね。

でも、新電力会社と既存電力会社はライバルじゃないの?新しい電力会社に送電線を貸さないっていうイジワルもできちゃうんじゃない?

既存電力会社としてはそれが当然ということになるよね。実際、送配電網のレンタルにあたってはかなり高額なレンタル料(託送料金)が設定されてしまった関係で、新電力会社はそれもあって利益を出してビジネスを続けていくのはかなり厳しいみたいだよ。

東京電力の利益の90%は一般家庭から

そんなんじゃ電力自由化の意味がないじゃない?

安全・安定的な供給というのを優先した結果、結局既存の電力会社に圧倒的に有利な条件になっちゃったからね(汗)撤退に追い込まれるIPPやPPSもかなりあったよ。

2016年に始まる電力小売の自由化では、一般家庭への販売も解放されるの?

そうだよ。ここからが本当の自由化かもしれないね。実際、東京電力は利益の90%を一般家庭への電気小売から生み出している。新電力会社がオフィスや工場への電気販売で利益を出せなかったのは当然とも言えるからね。

では結局、現在では一般電気事業者しか結局電力会社としてはうまくいっていないのね?

それがそういうわけでもなくて、エネットやダイヤモンドパワーなど、高圧向けの電気販売をうまくやれている会社も多いんだよ。こういう会社が2016年以降、一般家庭への電力の小売を始めるかどうかは大きな注目を浴びているね。

さっきの託送料金の件もあるし、高圧でうまくいっているからといって、こういう会社が一般家庭向けの低圧電力小売でうまくいくかどうかはまた別問題なんでしょうね。

やはり大きな業態転換になるから、しばらくは様子見をきめこむ電力会社も多いと言われているね。

 - 電力小売の自由化 , ,