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PPSが戦う「30分同時同量」ルールとインバランス料金リスク

太陽光発電や風力発電は、天候によって発電量が左右されるから使い物にならないという議論があるわよね。

その日晴れるかどうか、どのぐらいの日照時間がどのメガソーラーの地区に来るか、風がどのぐらいどっちの方向から吹くか、予測を立てるのはとても難しいからね。

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やっぱり電力って、貯めておくことはできないのよね?日の光や風が強い日にたくさん発電しておいて、雨の日や風のない日はそれを使うというの。

そうだね、それができれば本当にいいんだろうけど、残念ながら蓄電って本当に難しい技術みたいで、現実的じゃないみたいなんだよね。

それはこないだテレビでも言ってたけど、やっぱりそうなのね。でも私の家は昼間の太陽光エネルギーを使って夜のお湯を沸かせるのよ?

あ、確か僕の実家もそうだったな。確かに家庭用の蓄電はある程度可能になっているんだよね。

発電元で産んだ電力をためるほどの巨大な蓄電池は難しいけど、家庭用の蓄電技術はそこそこいけるってことね!

晴れた日に電気を貯めておいて、雨の日に使う・・・というのは、まさにスマートハウスで使われている技術だね。

蓄電が難しいなら、補助電源としては?

蓄電が難しいことはわかったけど、他の火力発電や水力発電をメインにしておいて、太陽光や風力を補助的に使うのならあんまり問題ないんじゃない?メインにしようとするから不安定なのがまずいのかなって、いつも思っていたの。

なるほどね、もちろんそういう考え方もあるね。ただ、やっぱりこれも難しいんだよ。複雑になりすぎないように解説しましょう。

「同時同量」は発電の基本

上記の通り、電力は貯めておけない。かといって、需要の方が上回ってしまうと停電につながりかねない。

じゃあいつもちょっと多めに作っておけばいいんじゃない?

それじゃあ電気を無駄にしてしまうし電気料金が上がっちゃうよね(汗)

となると・・・電気は常に「作った瞬間に送って、すぐに使う」ということができないといけないのね。

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その通り。「同時同量」って言うんだ。発電する電力の量と、消費される電力の量を、常に一致させて保たないといけない。

な、なんだか難しそうね?だって発電量はともかく、消費される電力の量ってそんな簡単に予測できるものなの?

いや、かなり難しい。気温が1度違うだけでエアコンで消費される電力量も変わるし、天気なんて突然変わることもある。最近はゲリラ豪雨みたいな急な変化もあるしね。それがたとえば東京電力管内だけでもかなりの広範囲にわたって刻々と変わっていくことになるんだ。

その電力消費量の予測をしながら、発電量を変化させて「同時同量」を保ち続けるということね。発電量をコントロールすることはそんなに簡単なの?

やはり発電所ごとに稼働を止めたり再開したり、発電量を抑えたり高めたりという微調整が必要になる。けっこうこっちもたいへんなんだよ。

PPSは少し緩和され、「30分同時同量」

同時同量を保ち続けるには、熟練の技術や経験が必要なことはなんとなくわかると思う。他にも大事なことがあるのだけど、なんだと思う?

うーん全然わからない。。

たとえば電力を1軒にしか販売していない会社と1万軒に販売している会社とでは、どちらのほうがこの同時同量を守りやすいかわかる?

それはやっぱり、1軒だけだとゼロかイチかになってしまうから、たくさんの住宅に電力を販売している方が動きが平準化して把握しやすいんじゃない?

正解。少数の家庭の電力消費を追いかけるのでは電力消費量の上下がありすぎる。たくさんの集合ならこの波が滑らかになるから、大規模な電力会社の方が同時同量を達成するのはやりやすいんだ。

そうなると、PPSはたいへんね・・・お客さんを1軒1軒開拓していかないといけないのに。

そこで、PPSには「30分同時同量」でいいよ、と緩和されているんだ。30分単位で同時同量ができていればそれでヨシとするルールだね。

3%以上のズレがあると・・・「インバランス料金」のダメージ

ルールはルールとして、多少越えたり不足したりしたからといって、そう簡単に停電にもならないわよね?

とんでもない!これは放っておくとたいへんなことになるので、一般送配電事業者が不足発電量を補給したり、余剰分を買い取ったりという調整が必須なんだ。

あ、そうか。。調整をしてくれる会社さんが他にいるのね。なら安心は安心ね。

問題は、この不足や余剰が起こった時の費用なんだ。30分同時同量が達成できずに余剰や不足が発生することを「インバランス」と言うんだけど、このインバランスが3%を越えると電力小売事業者にはペナルティが課せられることになる。

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ペナルティってどんな?

需要に供給が追いつかなかった場合、不足分は一般送配電事業者から買ってでも供給しないと停電につながることはお話した通り。不足が発生すると「インバランス料金」を支払って一般送配電事業者に穴埋めをしてもらうわけだけど、このインバランスが3%を越えると、最大で3倍以上の金額を払って調達しないといけなくなるんだ。

3倍って・・・つまりたぶん、赤字よね?

1kWhあたり15円で買えていたものが、50円以上になってしまう。当然、この費用はお客さんからは取れないから、その通り赤字として損失になってしまうことになるね。しかも、逆に3%を超えて発電量が余剰になってしまったぶんは、無償で渡さないといけないんだ。

け、けっこうシビアなルールでやらないといけないのねPPSって・・・

これも健全な電力事業者同士の競争を阻害しているって批判はあるんだよね。。

同時同量と再生可能エネルギーの関係?

でも、それが再生可能エネルギーの普及とどういう関係があるの?

30分同時同量に緩和されているとはいえ、経験も技術も顧客数も、PPSにとっては同時同量の実現はとても難しい。さらに、インバランス料金は経営にダイレクトにダメージが行くぐらい重たい負担になるんだ。

ふむ。

天気天候で発電量が大きく左右され、予測も難しい再生可能エネルギーをPPSが導入するとなると・・・?

!!!それってほとんど不可能なんじゃ・・・(汗)

補助とかメインとか、そういう問題ではどうやらなさそうだね。現在ソフトバンクが日本全国にメガソーラーを建設している意図には、このインバランス料金のリスクを緩和するための作戦もあると言われているね。

メガソーラーをたくさん建設すると、インバランス料金リスクが低くなるってどういうこと?

さすがに重たすぎるインバランス料金について、これを最小化するための仕組みとして「バランシンググループ」というのがあるんだ。すごくざっくり言うと、PPS同士の発電量をまとめることで30分同時同量を仮想的に達成し、インバランスを調整する機能を言う。

発電量が多すぎるPPSと少なすぎるPPSを組み合わせるということかしら?そんなことできるの?

あくまで「仮想的に」というのがポイントなんだけどね。このグループが大きくなればなるほど電力供給量は需要にあわせて調整しやすくなる。

大手の既存電力会社が有利なのもまさにココなんだもんね。

そうだね。ソフトバンクは自社が「代表契約者」となりバランシンググループを拡大していくことで、インバランス料金のリスクをぐっと減らそうとしているんだろうと言われているんだ。

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