
大阪ガスの電力小売事業提携先、まずはNTTドコモdocomo。ソフトバンクやNTT西日本とも?
大阪ガスとNTTドコモ(docomo)の電力小売事業提携のニュースが流れましたね。
実は大ガス(大阪ガス)はソフトバンクsoftbankやジュピターテレコム、あとはNTT西日本とも業務提携の話を進めているとのお話もあります。特に通信系事業者との業務提携は今回のドコモだけにはならないかもしれません。
が、まずは2016年には一般家庭20万世帯への電力販売を目指すということで決まっているようです。
一般家庭向けの低圧電力小売事業、儲かる?儲からない?
大阪ガス・NTTドコモのタッグが狙ってくるのは、電力と携帯電話のセット販売、または電力とガスのセット販売ということで間違いなさそうですね。もしかしたら電力・ガス・通信サービスの3つかそれ以上のセット販売なんかも商品が飛び出すのかもしれません。
もともと、一般家庭向けの低圧電力販売では電力事業者はあまり儲からないとも言われています。にもかかわらずこれらの会社が電力小売に参入するのは、「現在持っているサービスの顧客流出を防ぐために参入せざるを得ないから」なんて言われることもありますね。
もっとも、東京電力は利益のたいはんを一般家庭への電力小売で得ていることからも、ビジネスモデルがしっかり組めれば一般家庭向けの電力販売(低圧電力小売)はドル箱化が期待できるポイント。利益の幅を取りやすいんだそうです。
大阪ガスってガス会社なのに、発電所持ってるの?
「大阪ガスってガス会社なのに、発電所を持ってるの?」という疑問が出てきそうですが、実はこれが結構持ってるんです。まずは火力発電所を見てみると・・・
- 泉北天然ガス発電所
- 姫路製造所
- 泉北製造所第一工場
- 西島エネルギーセンター
- 中山共同発電
- 中山名古屋共同発電
以上で163万kW。さらに、再生可能エネルギー電源としては・・・
- 葉山風力発電所
- 由良風力発電所
- 平生風力発電所
- 広川明神山風力発電所
- 肥後風力発電所
- 西島太陽光発電所
- 広川明神山太陽光発電所
- 名張近鉄ガス八幡太陽光発電所
- 勝央太陽光発電所
- 太陽光発電所
これらも合わせると、大阪ガスは合計で180万kWほどの発電力を持っていることになります。これは原発2基ぶんに相当するため、なかなかの発電能力と言えそうです。
また、ガス会社はLNG(液化天然ガス)の調達能力にももちろん長けていますし、ガスと電力をつなぐ技術もたくさん開発しています。2016年4月の電力小売自由化と2017年4月のガス小売自由化の間は、ガス会社だけが唯一ガスと電気のセット販売が出来るということもあり、従来の電力会社よりも圧倒的に有利という見方もあるぐらいなのです。
逆に言えば、大阪ガスも2017年4月のガス小売の自由化までに「ガス依存」の体質から脱却したいという思惑もあるでしょうね。電力会社もガス会社も、これからは「総合エネルギー企業」への進化が求められているように思います。