洋上風力発電とは
洋上風力発電とは、主に海洋上に風力発電の設備を作り、海の上に突き出た風車を風の力によって回転させて発電を行うことを言います。オフショア風力発電とも呼ばれます。
洋上発電の定義としては、海洋上で行われるものに限られず、湖の上やフィヨルドの内部で行われる風力発電も含まれます。
陸上で風力発電を行う場合と比較して、洋上風力発電には大きく3つのメリットが存在します。
- 洋上の方が安定して大きな風力を得られる
- 土地の制約を受けにくい
- 景観や騒音といった人間の住環境に与える影響が少ない
洋上では、風の乱れが少なく一定した風力を継続的に得られることから、風車を回し続けることによって電力を発電する風力発電に向いています。
風力発電の設備を建設するとなると、ある程度の広さを持った土地が必要になりますが、洋上ではスペースの利用の仕方が限定されているため、陸上のように他の建物に気を使いながら建設する必要がありません。また、スペースを気にせず、大きな発電量を誇る大規模な風力発電設備も導入しやすくなります。
陸上に風力発電設備を建設する際は、これらの環境影響を付近の住民に理解してもらう必要がありますが、洋上発電ではその必要はありません。
逆に洋上風力発電のデメリットとしては、
- 風力発電設備の基礎部分を建設・保護する際の労力がかかる
- 洋上で発電した電力を陸上まで運搬するケーブルの維持や建設にコストがかかる
などが挙げられます。
洋上風力発電の普及が進んでいるのは、ヨーロッパの国々です。ヨーロッパ諸国の多くは国土の小さい国が多く、洋上を利用できる洋上風力発電の導入が進んだ経緯があります。また、遠浅の海岸が多いという地形上のメリットを活かせることも、普及が進んだ理由です。
日本でも地形的なメリットを活かせることから普及が期待されていますが、まだ実証実験段階の施設がほとんどです。